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公開日:2021/07/01  最終更新日:2021/03/08

展示会ブースは環境に配慮した材料を使う業者利用が安心


展示会への出展は、企業間取引において新たなクライアントや販路開拓などのチャンスです。近年では事業活動全般について、環境への負荷を可能な限り軽減することが深く意識されるようになりました。展示会ブースの出展にあたっても同様に、循環型社会を前提にした取り組みが実践されています。どのような取り組みが実践されているのか説明しましょう。

展示会での環境に配慮した取り組みについて

環境に配慮した展示会は、2014年に開催された「エコプロダクツ2014」での主催者の取り組みが参考になるでしょう。このイベントでは環境配慮ガイドラインを策定し、一般的な展示ブースの構成要素を7項目に分けて設定しています。このガイドラインによると、可能な限りレンタルシステムを使用し、無駄な原材料消費や利用発電量を削減するなど、低炭素社会の実現にむけた取り組みが具体化されています。

新規にブースを製作する場合は、エコ素材の使用を推奨しているのです。具体的には、原材料の一部として再生ポリエステルを配合したリサイクルカーペットを、一部のブースで採用していました。会場装飾では素材の「木質化」を積極的に推進し、イベントステージや休憩・飲食コーナー、入場登録所などの共有部分の装飾は、主催者が国産材を使用したそうです。

国産材を積極的に使用することは、国内森林産業の振興による森林整備・維持につながり、地球温暖化防止や循環型社会の実現にも寄与するでしょう。会場には数多くの来場者が訪れるため、会場内のゴミの処理も解決するべき課題といえます。イベント会場ではゴミを11種類に分別し、ゴミのボリュームを圧縮して運搬しやすくすることで、ゴミ削減に向き合ったのです。イベント中に大量にでる弁当箱の空き箱をリサイクルするべく、リターナブル素材の容器を採用していました。

循環型社会を意識して何を実践できるか

展示会ブースの設営で環境を意識するには、現地で使用する電力源にも目を向ける必要があります。この点は「エコプロダクツ2014」においても、主催者が実践していた取り組みが参考になるでしょう。展示会ブースでは各種の設備を利用するために、電力を必要とします。

発電で化石資源を利用すれば、二酸化炭素の排出量の増加につながるでしょう。そこで主催者は、現地で利用する電力をグリーン電力で賄っていました。グリーン電力とは、バイオマスや風力、太陽光発電などのことです。自然エネルギーを積極的に活用することで、環境への負荷が少ない経済活動が実践されることになるでしょう。

そして、電力使用量自体を削減することが、根本的な低炭素社会実現への具体的アプローチになるのです。会場では照明を通常の4分の3にするなど、エネルギー消費の抑制を意識した会場作りに積極的な姿勢を見せています。この取り組みは参加者にも電力使用の節減をよびかけるなど、一体となって節電に向けた対策を実践していました。

一部の主催者管理施設では、電力消費量の少ないLED照明を採用するなど、今後の環境を意識した電気設備の積極的導入に努めているのが印象的です。一人ひとりで実践できる対策の効果は限定的でも、全員が意識することで大きな成果につなげることができるでしょう。

施工業者を選ぶときに確認したいポイント

展示会ブースは専門の装飾業者に依頼する場合でも、今後は自社の商品やサービスの訴求効果だけでなく環境への負荷が少ないことを意識して、計画のなかに組み込む姿勢が求められるようになっています。業者に依頼するときに相見積もりをとるときには、予算の兼ね合いもあり見積額に注目されがちです。

しかし環境を意識した展示会ブースを製作するには、リサイクル素材や省電力など、割高でコストがかさむ選択肢も許容せざるを得ない側面があるでしょう。単純に価格面のみを考慮すれば、外国産木材を新規購入して、照明設備なども蛍光灯などで充分という結論になります。しかし、外国産の資材は輸送のために大量の化石燃料を消費し、蛍光灯では電力消費慮では従来型のレベルのままにとどまってしまうでしょう。

展示会ブースの専門業者を選択するときに、環境への負荷という新たな視点を導入すれば、必ずしも費用の金額だけに集約できない側面があることにも気づかされるのではないでしょうか。

展示会ブースが広告手法として活用されれば、販売促進費用ということになり、できるだけ費用負担をおさえたい企業も多いでしょう。しかし環境への負荷が少ない社会を実現するには、ある程度のコスト負担を覚悟することは必要です。専門業者を選ぶときは、環境負荷の取り組みも確認事項に入れるべきといえます。

 

展示会でブースを出展することは、自社の商品やサービスの販路開拓のためにメリットが大きいものです。しかし、会場では大量のエネルギーを消費することなどを踏まえると、環境へのダメージを少なくできれば理想的でしょう。業者を選ぶときは、環境問題への取り組みなども考慮する姿勢が求められる時代になったのです。