多くの企業が集まる展示会では、ほかの企業よりも少しでも目立つブースを作り、扱っている商品を知ってもらうために、一人でも多くの集客をしたいと考えるのが普通です。
そこでデザイン面を重視したブース設営を行いたいと思ったとき、どのような業者を選んで、どのような依頼をすればいいのでしょうか。
そのポイントについて考えてみました。
見た目にだけこだわったブース作りは間違い?
たくさんの企業が集まる展示会において、大きなスペースでお金をかけて派手なブースを設営できる大企業ならともかく、あまり名前も知られていない中小企業の場合、限られたスペースでほかの企業との差別化を図り、集客を求めるのは容易なことではありません。
「なるべく見た目が良く、ほかの企業より目立って人が集まるブースを作りたい」というような希望は、誰しもが持つものでしょう。
しかし、単に見た目が良いというだけでは実際にはなかなか人は集まりません。
ほかのブースに比べて目立つことはいいことかもしれませんが、そもそも中身が伴っていないブースは一瞬は立ち止まって見ることはあっても、そこで紹介している商品にまで目を向ける人が少ないというのが現状です。
また、あまりに見た目にこだわり近代的でかっこいい作りにしてしまうと、人は近寄りがたいと思ってしまい、逆効果になってしまうこともあります。
大型モニターが並んでいたり、近未来的な音楽や派手なライト、美しいコンパニオンの女性など、お金をかければいくらでも目立ったブース設営ができますが、一瞬は人の目を引くことができてもそれがその先の商談にまでつながるかというと、そう単純にはいかないということです。
つまりブース設営を業者に依頼するときには「単に目立つデザインにしたい」というだけではなく、もう少し具体的なコンセプトをしっかり伝えて、それをデザインで表現してもらえる業者を選ぶことが大事になってきます。
メッセージとブランディングを示す
業界内では知られている企業でも、世間的には無名な企業というのはたくさんあります。
そういう企業が展示会に出展する場合、まずは「企業名を知ってもらいたい」と思って、企業名や扱っている商品名を全面に押し出そうとしてしまうことがあります。
しかし、もともと無名の企業なので、名前を言われてもイメージできる情報は少ないのが当たり前です。
それより、もう少しその会社の理念やアイデンティティなどを知ってもらうためには、その会社を具体的にイメージできる「メッセージ」なり「キャッチコピー」を示すのが重要です。
その次にあるのがその会社のブランドイメージになります。
作っているものや扱っている商品が特殊な場合、国内シェアで考えるとかなりのシェア率を誇っていることも多いでしょう。
そのブランドイメージをしっかり表現することで、より具体的にその会社を知ってもらうことが可能になります。
この場合、たくさんの商品を並べてしまうとイメージが広がり過ぎる傾向にあるので、その中で代表的ないくつかに絞ってアピールすることが大切になります。
こうしたメッセージやブランドイメージを具現化し、展示会ブースのカラーやデザインに落とし込むことで初めて見る人にも分かりやすく、伝わりやすい空間作りができるでしょう。
もちろん、イメージだけで取引企業を選ぶという人はいないでしょう。
しかし、「この会社は信頼できる」と思わせるためには、具体的なイメージを持つ材料は必要不可欠です。
経験値の高い業者を選んで依頼する
最後に展示会ブースの設営を依頼する業者ですが、まずは経験値の高い業者を選択することが最も重要なポイントになります。
これは単に展示会での経験値だけではなく、たとえば店舗デザインや空間デザインなどの企画・設営の実績をしっかり持っている業者ということです。
狭い空間の中で、しっかりとコンセプトをデザインに落とし込み表現することができるのかは、経験を積んでいかないと分からないことが多いでしょう。
どんなに机上でのデザインが優れていても、現場でそれが再現できなければそれは失敗です。
また、展示会のブースは人が集まることを前提としています。
人の流れや動線を考えたり、狭くても窮屈に感じさせない工夫なども必要になるので、単にデザインがカッコよければいいというものではないのです。
こうしたことをすべて頭に入れて、人が集まるブース作りをするためには経験値は多ければ多いほどいいということになります。
もちろん、依頼する企業側の思いや表現したい内容をしっかりと具現化してデザインに落とし込む企画力も大切です。
とくに初めての展示会出展の場合は企業側には分からないことも多いでしょう。
そんなときに具体的な企画を提案してくれたり、アドバイスをしてくれる業者だとスムーズに話が進んでいくことになります。
もし、展示会を継続的に行っていく予定なら同じ業者に依頼することで、より効果的に展示会を活用していくことも可能になります。
同じデザイナーによってテーマを決めて出展を続けることで企業イメージもつきやすく、より多くの人に認知してもらう機会にもなるでしょう。